公演プログラムより

媚薬・官能・リアリティ系バンド!

 JOMI(久保田条実)、YUIMA(今井芳継)、YUENNG(岡朋子)の三人で編成された、クリエティヴってことに貪欲なバンド、J’s Y2。映像演出を担当する超クールなギタリストYUIMA。原作、プロデュースと兼任し、本業の作曲でも全編の曲を手掛けるJ’s Y2の頭脳JOMI。長い髪をなびかせ、艶やかな声で誘惑するかのように歌う歌姫YUENNG。
 今回の公演に際して、フル・アルバム(サウンド・トラック)も発表する彼らの音楽的傾向ってなんだろう。ポップなのか、クラブ系なのか、ロックなのか、はてまたヴィジュアル系なのか。そのすべてであって、すべてでない。あえていうなら媚薬・官能・リアリティ系とでも言うべきか。
 幸運にも彼らのライヴを見る機会に恵まれた筆者は、その空間に広がる官能的でありながらいやらしすぎず、陳腐なロマンティシズムに自己陶酔するだけでない生々しさを感じた。
 彼らの音は、中間的な色合いを持ちながら、それでいて決して中途半端ではなく、J’s Y2独自の音楽論を成り立たせている。非常に微妙なバランスにありながら、それが成立するのは、音にも表れているジレンマをもち続ける彼らの、誰より大人びた子供っぽさからなのかもしれない。
 このあとの彼らを追いかけると、おもしろいことに出会えそうな気がする。皆さんもそんな彼らに期待して損はしないと思いますよ。頼みますよォ、お三人さん。

音楽評論家/乃本忠静

「Shangri-La」パック・5日間の旅、豪華オプション付き

 「Under Shangri-La」はあくまでも心の世界を描いたものです。現在の社会を風刺したわけではありません。もっとも私はそれほど出来た人間ではありませんし、むしろ現実の世界も捨てたものではないと思っています。少なくとも今の日本では、やりたいことがあれば知恵と根性でなんとかやれてしまう……夢を現実に変えることができるパラダイスだと思います。studio-expの舞台裏、人間ドラマを垣間見れば、彼らがそれを証明していることが分かるでしょう(それはそれは壮絶なドラマです)。
 「Shangri-La」という単語は、子供の頃に読んだJames Hiltonの小説『失われた地平線』の中に出てくる理想郷=ユートピアの名称です。そこでは、かなり具体的なユートピアの世界がファンタジックに描かれていましたが、私は、本当のユートピアというのは、実は心の中にこそあるのではないか、ということを「Under Shangri-La」で問いかけてみたかったのです。環境というのは与えられるものではなく、自分で作っていくもの。信念と希望と情熱があれば、自分の環境を豊かなものにすることができる……この確信こそがユートピアの扉の鍵なのではないでしょうか?
 そう、幸福という物は勝ち取ったものでなければ、実感できないものですから。

久保田条実・脚本執筆者として

※「Under Shangri-La」公演プログラムより

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  • 資料提供:studio-exp(スタジオエクスプレス)